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ABS簡易撤去
01 ABS簡易撤去
S15のABSキャンセル方法

通常はカプラーを抜いてキャンセル

  1. S15のABSをキャンセルする方法は2つあり、ひとつがエンジンルームのABSユニット横にあるカプラ―3個を抜く方法、もうひとつがABSヒューズを抜く方法です。
    カプラーを抜く方法にはメーターパネルのABSチェックランプが常時点灯してしまうという問題があり、ヒューズを抜く方法だとスピードメーターが動かなくなってしますという問題がありました。
    スピードメーターが動かなくなるのは致命的なので、カプラーを抜いてキャンセルするのが一般的でした。

    当時、主な使用用途がサーキットだっため、ABSは常にキャンセルしていたこともあり、将来的にも必要ないと思ってユニットごと撤去することにしました。
カプラー抜きによるABSキャンセル

カプラー抜きによるABSキャンセル

モジュレータ及び配線の撤去
モジュレータ取り外し

モジュレータ取り外し

通常はカプラーを抜いてキャンセル

  1. 左ストラットとバルクヘッドの間にあるABSモジュレータを取り外します。 ブレーキパイプ5本を外したあと、モジュレータとステーを固定している両側のM6ボルト2本を外し、モジュレータ本体を取り外します。 残ったステーはエンジンルーム側のM8ボルト2本と、タイヤハウス内のM8ナット2個を外せば取り外すことができます。
  2. モジュレータから室内に繋がる配線は室内側のブロアユニットの裏側に隠れています 通常はクーリングユニットを外したあとでブロアユニットを外すのですが、エアコンガスを抜くのは大変なので、クーリングユニットを外さずに下側から順に分解してブロアユニットのみを取り外しました。
  3. 取り外したモジュレータ、ステー、配線一式。
    モジュレータはかなり重く、配線の量も相当あるので軽量化に貢献できそうです。
配線を撤去するために室内側からアクセス

配線を撤去するために室内側からアクセス

取り外したモジュレータ、ステー、配線一式

取り外したモジュレータ、ステー、配線一式

撤去に必要な部品の準備
3ウェイブロックと新規製作パイプ
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3ウェイブロックと新規製作パイプ

フロントは3ウェイブロックを使用

  1. 撤去のために準備した3ウェイブロック(リヤの2分岐用で使用されている純正品)と新規製作したブレーキパイプ。
    フロントブレーキの配管は、とりあえず3ウェイブロック使用してモジュレータのあった場所で2分岐させます。
    リヤ側はバルクヘッドを往復しているパイプを再使用するのが嫌だったので短いパイプで直接リヤ行きのジョイントブロックに接続します。
    S15はPバルブ(プロポーショニングバルブ)がブレーキ配管に見当たりません。 もしも撤去したABSアクチュエータに内臓されているとフロントとリヤのバランスが崩れてしまいますが、S15はマスターシリンダにPバルブが内蔵しているので問題ありません(新型車解説書より)。

ダブルフレア加工は難しい

  1. 純正のブレーキパイプはスチール製で、フレア部に「ダブルフレア」という加工が施されています。
    ダブルフレア加工はパイプの先端を膨らませたあとに内側に折り込む加工方法で、強度が高く、単純にテーパーに広げるだけのシングルフレア加工とは異なります。 自分でやってみたことがある人は分かると思いますが、この加工は非常に難しいです。 安価なダブルフレアリングツールで加工すると、大事なテーパー面が平滑にならないし、パイプがずれないようにするためにパイプの首を掴むアタッチメントを締め込むと、掴んだ箇所が傷だらけになります。 銅やアルミなどの軟らかい素材だと何とかなりますが、スチール製パイプを綺麗に加工するには安価なフレアリングツールでは無理だと思います。 そこで今回は、専門業者に頼んで40cm位のパイプを製作してもらい、それを手曲げで車両に合わせて使用することにしました。
ダブルフレア加工

ダブルフレア加工

ABSモジュレータ撤去前
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ABSモジュレータ撤去前

ABSモジュレータ撤去後
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ABSモジュレータ撤去後

3ウェイブロックとパイプの取り付け
リヤ側接続パイプ取り付け後

リヤ側接続パイプ取り付け後

  1. 製作したブレーキパイプを装着。
    リヤに向かうジョイントに直接繋げることでバルクヘッドを往復している配管は全て撤去できます。
フロント側に3ウェイブロック取り付け後

フロント側に3ウェイブロック取り付け後

  1. フロントブレーキ配管に3ウェイブロックを取り付け。
    左フロントブレーキに繋がるパイプは無理やり曲げる感じになります。 一応エキマニに近い箇所は遮熱テープを貼りました。
ABSコンピュータの配線整理と回転センサ撤去
S15 ABSコンピュータ

S15 ABSコンピュータ

  1. ECUと重ねて固定されている黒いユニットがABSコンピュータです。 S15はデフに装着されているセンサーからの信号をこのコンピュータで変換してスピードメーターに送っているので、撤去してしまうとスピードメータが動かなってしまいます。
    そのためABSに関連している不要な配線のみを間引いてユニットは残します。 残す配線は大きい方のカプラの4本(下記)と、小さい方のカプラの黒いアース線4本です。
No 記号 線色 役割
1 MA07 薄緑 スピードメータへ出力
2 BS01 灰/赤 IG電源
3 BS26 白/緑 ABS回転センサ入力
4 BS27 茶/赤 ABS回転センサ入力
Intake air temp sensor

S15 前輪回転センサ

  1. 前輪回転センサーも撤去。デフのセンサだけでスピードメータは正常に動くので問題ありません。

warning このレポート10年以上前のもので、当時は警告灯が点灯しないようにするだけで車検は問題ありませんでしたが、2017年の法改正では消灯したままではNGとなりました。
規定されている通り、エンジン始動時に点灯し、その後消灯するようにだけしていれば表面上はOKになるかも知れませんが、車両にもともと付いているシステムがないことは厳密にはNGという考え方になるかも知れません。
システム自体がないことを証明できれば、常に消灯で問題がないらしいのですが、そのあたりの判断は管轄の陸自に直接聞くしかないと思います。

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