ダッシュボード取り外し
今回の作業では、ヒーターユニット内部のエバポレーター洗浄と、エキスパンションバルブの交換を行います。 ヒーターユニットを取り外すため、ダッシュボード(インスツルメントパネル)も取り外します。
- まず、タッピングスクリュー(4×12)2本を外してサイドベントガーニッシュを取り外します(左右共に取り外します)。
- サイドベントガーニッシュが外れると露出するボルトワッシャー(M6×25)2本を取り外します(左右共に取り外します)。
- 内装パネルやメーターASSYなどの周辺部品を取り外したあと、コラム下側から、コラムホルダー固定用のボルトワッシャー(M8×25)2本と、コラム本体固定用のフランジナット(M8)2個を取り外します。 その後、ステアリングコラムを下側へ降ろします。
サイドベントガーニッシュ取り外し
サイドベントガーニッシュ裏のボルト取り外し
ステアリングコラム分離
コンソールセンターブラケット固定ボルト取り外し
- リヤーコンソールを取り外したあと、コンソールセンターブラケットとダッシュボードを固定しているフランジボルト(M6×10)を取り外します(左右共に取り外します)。
- センターロアーブラケットを固定しているスクリュー(M5×16)を取り外します。
ダッシュボード内側のフロアマット固定フック4箇所を取り外すと、ダッシュボード本体を取り外せる状態になります。 - ダッシュボードを取り外し後の状態。
手前のビーム(ビームCOMP.,ステアリングハンガー)を取り外すと、エバポレータを外せる状態になります。
このビームは純正状態では無垢の鉄のため錆びてしまうのですが、以前ダッシュボードを外した際にクロメートメッキ(3価クロメート)をかけています。 余談ですが、このビームを単品で新品購入すると黒色の表面処理(塗装かメッキか不明)がされているらしいので錆の心配がありません。
センターロアーブラケット固定スクリュー
ダッシュボードを取り外した状態
ヒーターユニット取り外し
ウォーターバルブケーブル
- ヒーターユニットを取り外すには、まずフロントトランク側のブロアーASSYを取り外します。
次に、ヒーターコアに接続されているヒーターホースと、エバポレーターに接続されているレシーバーパイプおよびサクションパイプを分離します(ヒーターホースは、先にウォーターバルブとウォーターバルブケーブルを切り離してから取り外します)。
取り外したヒーターユニット
- 取り外したヒーターユニット。
配管類を分離したあと、室内側からヒーターユニット上側ブラケットを固定しているボルトワッシャー(M6×20)2本と、フロントトランク側から下側のスタッドボルトを固定しているナットワッシャー(M8)2個を取り外し、ヒーターユニット本体を取り外します。
ヒーターユニットボックスオーバーホール
- ヒーターユニットは構造が複雑なので、組み立て時の参考にするためにできるだけ写真を撮影しておきます。 運転席側の外部側面にはモードモーターASSYにより風の流路を変更する閉止板を連動させるためのリンク機構があります。
- 底面のエアミックスモーターASSYは、ヒーターコアとエバポレータの流路を塞ぐ閉止板を上下に動かすためのリードスクリュー機構になっています。 このあたりもしっかり写真を撮影しておかないと、組み付け位置を間違いそうです。
- 閉止板などの合わせ面に貼られているスポンジは、経年劣化で経年劣化で崩壊していたので、綺麗に剥がしたあと、ホームセンターで購入したスポンジテープを貼り付けました。
当時は専用品がありませんでしたが、現在だとT3TECで販売されている ヒーターユニット用 特注スポンジセット(品番:T3-AC-HS02)open_in_new を使用するのが良いと思います。
ヒーターユニットを取り外す機会は二度とないかもしれないので、中性洗剤を使用して徹底的に洗浄しました。
モード変更用閉止板の連動リンク機構
エアミックス用閉止板のリードスクリュー機構
内部を徹底的に清掃してスポンジを張り替えた状態
- エキスパンションバルブ交換完了後の状態。
エキスパンションバルブは、小さなノズル穴から冷媒を噴射して気化させる部品で、コンプレッサ内部から発生した金属摩耗粉によるノズル詰まりトラブルも多く、レトロフィット時にも交換が推奨されています。
私のケースでは、冷媒やオイルが不足した状態でコンプレッサが作動していた可能性もあるため、もちろん新品へ交換します。
エバポレーターの洗浄は、パーツクリーナーを吹き込んでシェイクとエアブローを繰り返しながら入念に行いました。
感熱筒につながる配管を純正状態に合わせて手で曲げ、感熱筒をパイプの凹み部分へセットしてクリップで固定します。
エキスパンションバルブ取り付け後
感熱筒にスポンジ取り付け
- 純正と同じように、感熱筒部分に断熱用スポンジを巻きました(ホームセンターで購入したEPDMスポンジシートを使用)。
パイプ接続部は、ゴミが入らないようマスキングして保護しておきます。
オーバーホール完了
- エバポレーターとヒーターコアをヒーターユニットへ組み込み、オーバーホール完了です。
リードスクリュー機構やギヤ機構などの可動部にはシリコングリスを塗布しました。
バルクヘッド開口部の合わせ面と吹き出し口のスポンジも、劣化したものを綺麗に剥がして貼り替えました。
その他部品洗浄、組み付け
取り外した左右コンデンサー
- 左右コンデンサーも取り外して洗浄しました。
エバポレーター同様、パーツクリーナーを吹き込んでシェイクとエアブローを繰り返して洗浄しました。
その他の配管も全てパーツクリーナーの吹き込みとエアブローを繰り返して洗浄します。 - コンデンサーをセットしてパイプを接続した運転席側の配管接続部。
コンデンサー自体のフィッティングも経年劣化で傷んでいるので新品に交換したくなりますが、コア自体の状態は悪くなかったのでコストを考慮して再使用しました。
その他の配管もR134a用のOリングに交換しながら組み立てます。サービスマニュアルにはネジ部とOリングにコンプレッサオイルを塗布するように指示されています。
運転席側コンデンサー配管接続部
レシーバータンク仮取り付け後
- レシーバータンクはR12用とR134a用で部品番号が異なることから、内部の乾燥剤も変更されていると思われます。
また、長年使用された内部には汚れも蓄積していると考えられるため、新品へ交換します。
R134a用はR12用よりタンク径が細く、専用ブラケットが必要になりますが、直径の違いを把握しておらず購入していなかったため、とりあえずR12用ブラケットのリング部分を撤去し、ホースバンドで固定しました。 - 内部構造や汚れの蓄積状況が気になったため、取り外したR12用レシーバータンクを試しにカットしてみました。
内部は、活性炭のようなフィルタが入っているだけのシンプルな構造でした。
カットしたR12用レシーバータンクと内部フィルタ
コンプレッサ交換
クラッチセットを移植したR12用コンプレッサ
- 取り外したR12用コンプレッサからクラッチセットを取り外してR134a用コンプレッサに移植します。
フランジとプーリーのクリアランスには基準値があり、新品コンプレッサにはクリアランス微調整用のシムが付属しています。 フランジ~プーリー間クリアランス基準値 0.35~0.65m R12用のコンプレッサについていたワッシャを使用してクリアランスを測定したところ、0.6mmだったので、シムは使用せずに組み付けました。
フィールドコア(コードの付いた電磁石の部分)もカプラーの端子と本体間の抵抗値に基準値があるので測定しておきます。 端子~本体間抵抗基準値 3.6±0.2Ω(20℃)
各部品交換時のオイル補充量については、取り外した旧部品内に残留しているオイル量を考慮した値がサービスマニュアルに記載されています。
オイル補充量(1992年11月 サービスマニュアル記載)| コンデンサ交換時・・・・・・・・ | 30cc |
| クーリングユニット交換時・・・・ | 60cc |
| レシーバ交換時・・・・・・・・・ | 10cc |
| 配管類交換時・・・・・・・・・・ | 10cc |
| コンプレッサ交換時・・・・・・・ | 160cc - A |
A:取り外したコンプレッサから抜き取った量
(抜き取るオイル量は50ccを超えないこと)
これらの補充量は、サイクル内に既存オイルが残留していることを前提とした値であり、エアコンサイクルを完全洗浄して残留オイルがほぼゼロの状態となる今回のケースには当てはまりません。
このようなケースについてサービスマニュアルに特別な記載はなかったため、今回は新品コンプレッサに封入されていたオイルを抜かず、そのまま使用することにしました。
R134a用コンプレッサ取り付け完了
- R134a用コンプレッサ取り付け完了(コンプレッサを交換するにはフロントビームを取り外す必要があります)。
