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4連スロットル 取り付け作業
01 取り付け作業
はじめに

多連スロットルへのあこがれ

RB26がそうであるように、多連スロットルはレスポンスを追求する最上位のチューニングであると信じていました(過去形)。
そして、当時はシルビアのターボ車で4連スロットル化している人を見かけたことがなく、自分か第一人者になりたいと思ったこともチャレンジのきっかけです。
まずはどのスロットルを使うのかを検討する必要がありますが、当時はSR20用の4連スロットルをキット化して市販していたのはイケヤフォーミュラと東名の2社のみでした。 東名製はNA専用でファンネル仕様。サイドフィードインジェクタがそのまま使えるのはよいのですが、サージタンクを別途製作する必要があるので、かなりの手間がかかります。 市販品を導入するならサージタンクまでがキットになったイケヤフォーミュラ製一択になりそうです。
次に純正品流用の可能性ですが、インマニ連結の難易度など、取り付けるための手間を考えると、最も現実的なのがRNN14(パルサーGTI-R)用の4連スロットル流用だと思われます。
この時点で選択肢としてイケヤフォーミュラ製とパルサー純正流用の2択になったので、まずはパルサー用スロットルに関して考察してみます。

パルサー用スロットル流用は、他車用の純正スロットル流用と比較して最も現実的であるものの、取り付けにあたり、機械的な面で次の問題点があります。

①ヘッド接続部のフランジ形状が異なる
パルサー用スロットルのフランジはS13形状なので、アダプターを製作するか溶接でS14/S15のフランジと合体させる必要がある。

②フランジにウォーターラインがない
S13形状であるがために、S14/S15の1番吸気ポート下にあるインマニと一体型になっているウォーターラインがないため、S14/S15のフランジと合体させるか、ワンオフ製作するしかない。

③サイドフィードインジェクタが使えない
パルサーのインジェクタ低抵抗のトップフィード。ドロッピングレジスターと共に別途準備する必要がある。

④サージタンクの向きが異なり、口径も小さい
パルサー用のサージタンクはS14/S15と入り口の向きが異なり、そのまま付けるとバルクヘッド側が入り口になるので大幅な加工が必要。 また、S14/S15用のスロットルはφ70に対し、パルサー用サージタンクの入り口はφ60と小さく、そのままでは吸気量に影響が出る可能性がある。

イケヤフォーミュラ製に決定

パルサー用スロットルをベースにすると、自分で対処できないアルミ溶接でのワンオフが多くなり、かなりの費用と手間がかかります。

  1. どうしたものかと悩んでいた時に、イケヤフォーミュラ製4連スロットルの中古品が10万円でヤフオクに出品されたので購入。結局イケヤフォーミュラ製を使用することになりました。 ちなみに2024年現在は S13用open_in_new のみしかライナップがなく、S14/S15用は新品は購入できません。
  2. スロットル後のポートの圧力を同期し、アイドリング調整とマスターバックへの分配を行うコレクタータンクが付属しています。
  3. サージタンク内部を覗くと、各ポートに分岐する穴がきちんとファンネル形状になっていました。
ヤフオクで購入したイケヤフォーミュラ製4連スロットル

ヤフオクで購入したイケヤフォーミュラ製4連スロットル

スロットル本体とコレクタータンク
English

スロットル本体とコレクタータンク

サージタンク内部

サージタンク内部

サージタンク&インジェクタ取り外し

  1. まずはサージタンクの取り外し。インタークーラーのパイピング、繋がっているホース類、コネクタ類を全て取り外したあと、サージタンクをインマニと分離して取り外します。
    サージタンクが外れたらインジェクタとデリバリパイプの取り外し。給油口の蓋を外して燃料タンクの内圧を下げたあと、フューエルポンプのヒューズを抜いて数回クランキング。これで燃料配管の内圧が除去できます。
    クーラントが通るホースも外すのでクーラントを抜いておきます。
  2. サポートステーなど、上からでは外せない部分もあるので、ジャッキアップして下からも作業しつつインマニを取り外します。
  3. 付属の負圧集合用コレクタータンクの影響でオイルクーラー配管の取り回しに変更が必要なので、ついでにオイルフィルター取り付けブロックをダイレクトタイプに変更。 これでセンターボルト折れなどのトラブルも回避できるし、スペースが若干広くなるので配管の取り回しも楽になります。
サージタンクを取り外した状態

サージタンクを取り外した状態

インマニが外れた状態

インマニが外れた状態

ダイレクトオイルブロック取り付け

ダイレクトオイルブロック取り付け

スロットル&サージタンク取り付け

  1. 4連スロットルのユニットと負圧集合用のコレクタータンクを取り付け。 AACバルブとFICDソレノイドはコレクタータンクに取り付け位置が変わるため、純正ハーネスではカプラーが届かないので、サージタンクを取り付ける前にハーネスの延長加工を行います。
  2. サージタンクを取り付け。 スロットルと接続するフランジのガスケットが破れていたのでイケヤフォーミュラから新品を取り寄せました(2枚セット3,000円+送料1,000円+消費税200円=合計4,200円)。
  3. ハーネスの加工ついでに、各種センサーハーネスの延長と短縮を行って無駄のない長さに調整。サージタンク下にハーネスを通してスッキリとした見た目になるようにしました。 ハーネス加工後はサージタンク下側から全ての配線が出てきています。
スロットル取り付け後
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スロットル取り付け後

サージタンク取り付け後

サージタンク取り付け後

サージタンク下に隠したハーネス

サージタンク下に隠したハーネス

オイルクーラー配管変更

  1. オイルフィルターを取り付けるためのスペース確保が困難だったため、以前から計画していたニューズボックスの移動を敢行しました。 写真はヒューズボックスとバッテリーを移動した後の状態で、タイヤハウス付近のものが無くなり、非常にスッキリしています(ヒューズボックス移動は別レポート参照)。
    ヒューズボックスがあった場所にフィルターブロックを取り付け。この位置だとエンジンからの配管も短く済み、油圧損失も少なそうです。
    フィルター移動ブロックはキノクニ製のサーモブロックキット(当時の販売品)を使用。 現在ではモデルチェンジして同じ製品は売っていませんが、現行品番だと K600-34open_in_new になります。
    ブロックに油温センサーと油圧センサーがセットできるのもメリットですが、手軽に冬場のオーバークール対策ができるサーモスタットは必須だと思います。
フィルター移動ブロック取り付け

フィルター移動ブロック取り付け

燃料配管、I/C後パイピング製作

  1. インジェクタと専用のデリバリパイプを取り付け。インジェクタはDENSOの高抵抗550ccを使用。FC3S後期の純正インジェクタと同じです。インジェクタのハーネスもスマートに作り直しました。 サージタンクが汚かったので軽くバフ掛けをしました。
  2. デリバリパイプ一体型の純正レギュレータ使用できないので、別置き型を準備する必要があります。 レギュレータの他に、REYTEC用の圧力センサとブースト計の圧力センサにもサージ圧が必要だったので、それら機器を集合取り付けできるように2mmのアルミ板でステーを製作。
  3. ステーにレギュレータとセンサー類を取り付けてホースで接続。ホースも黒いのでゴムっぽいですが、黒のシリコンホースを使用しています。 レギュレーターは定番の SARDopen_in_new 製を購入しました。
インジェク及びデリバリパイプ取り付け後

インジェク及びデリバリパイプ取り付け後

レギュレータ、センサー固定用ステー

レギュレータ、センサー固定用ステー

ステーにレギュレータとセンサーを固定

ステーにレギュレータとセンサーを固定

  1. できるだけホースバンド固定は避けたかったので、燃料フィルターもIN/OUT共にAN6接続ができるBOSCH製(キノクニ品番 71020open_in_new )を購入。ホースエンドは当時新製品のキノクニオリジナル、ブラック&シルバーのランマックスホースエンドを購入。アールズの赤/青とは違って目立たなくてかっこいいです。
  2. 燃料ラインが完成。
    燃料フィルターは後でステーを製作してきちんと固定します。
  3. インタークーラーからサージタンクにつながるパイピングはワンオフ製作しないとならない部分ですが、この時に装着していたBLITZ製のインタークーは、 インタークーラー直後のパイプが90°曲がって立ち上がっていたので、90°の曲げパイプを適切な長さでカットしただけでパイピングを製作できました。
BOSCH製燃料フィルター、キノクニ製ホースエンド

BOSCH製燃料フィルター、キノクニ製ホースエンド

15
燃料ライン完成

燃料ライン完成

製作したパイピングを取り付け

製作したパイピングを取り付け

取り付け完了

  1. セッティング以外はこれで完成です。
    写真で見ると大したことはやっていない感じですが、ところどころで悩んで作業が止まってしまったので、かなり時間がかかりました。
4連スロットルキットの取り付け完了

4連スロットルキットの取り付け完了

01 取り付け作業