レベライザー加工
- NSXの固定ライトは、ライトの光軸を自動調整できないにも関わらず、電気的に調整する機構が備わったレベライザーが取り付けられています(コネクターの配線穴には栓がされています)。
固定ライト仕様のボディには、このレベライザーを避けるため逃げがありますが、逃げのないリトラクタブル用のボディだと干渉を避けるための対処が必要です。
当時、Rute KSからモーター部分がないシンプルな構造をした換装用レベライザーが販売されていましたが、コストダウンのため純正レベライザーを加工することにしました。 - レベライザーのケースを開いた状態。
モーターで回転させるギヤの回転を、近接センサで120°刻みで検出して正確にレベル調整する機構のようです。 - レベライザーを分解した状態。
レベル調整に使用する後端のナット部分が、モーターなどが収まるケースと一体なので、部分的に流用するのは難しそうです。

NSX後期固定ライト 純正レベライザー

レベライザーを分解した状態

純正レベライザーを分解した状態
- ヘッドライト側ケースの不要な部分を切り取って大まかな形にしたあと、ボール盤のチャックに取り付けできるようにボルトナットを取り付け。 ボール盤を回転させながらヤスリで削って真円に成形しました。
- ボール盤での成形加工完了後。
ボール盤での手作業としては十分綺麗に加工できたと思います。 - 加工したケースを使用してレベライザーを再度組み立て。
後方側のケースに固定されている機構を固定できないので、調整ボルトの頭の平らな部分を掴んで回転させる必要があります。
見た目も良くないので、アダプタのようなものを製作して連結したいところですが、一旦この状態で完成としました。

レベライザーをボール盤で加工するための処置

レベライザー加工完了後

レベライザー再組み立て後
リトラクタブルライト取り外し
- リトラクタブルライトを上げた状態にして側面を覆っているカバーについている小さい楕円のカバー(4つ)を外します。
- 楕円カバーを外すと露出するビス(4本)を取り外してカバー本体を取り外します。
- 配線コネクタを分離した後、固定ボルト4本を取り外してユニットごとリトラクタブルライトを取り外します。
固定ボルト4本の内2本には下側からアクセスする必要があるので、インナーフェンダーを取り外す必要があります。
- リトラクタブルライト関連部品とフロントバンパーを取り外した状態。
フロントバンパービームステーも後期型用に交換した状態になっています。
フロントバンパービームステーは、バンパービーム本体を固定するのが主な役割ですが、上部のブラケットがバンパー自体を支える役割も担っており、前期型と後期型で高さが異なります。 そのため、固定ライトの換装する際には後期型用に交換する必要がありますが、近年大幅に値上がりしている部品です。

リトラクラブルライト関連部品 取り外し完了
ボディ加工
- 固定ライトはフェンダー側に位置決め用の突起があるので、左右のフェンダーに突起がはまる穴を開ける必要があります。 ヘッドライトを当てがいながら慎重に位置決めをして穴開けをしました。
- 運転席側のヘッドライト固定部。
ヘッドライトを仮止めしてみると、やはりレベライザー部が若干ボディに干渉したので、若干ボディを叩いてへこませました。 5mm位へこませることで、レベライザー部が干渉しなくなりました。 - 助手席側も同じく叩いて逃げ加工。
実はこの後でボンネットとのチリ合わせを行った際、仮固定をした時よりもヘッドライトの内側を高くすることになり、最終的には思っていたよりボディとのクリアランスが確保できました。 もしかしたら、ボディをへこませなくてもギリギリで干渉なく取り付けができたかも知れません。

ヘッドライトの突起がはまるための穴

レベライザーの干渉を避けるためにへこませたボディ

助手席側も同じくへこませて逃げ加工
ライト取付作業
- ヘッドライトを裏側から見た状態。ヘッドライトは片側4箇所(A~Dのステー)でボディに固定されます。 AとBのシルバーのステーは純正部品で、リトラクタブルライトが固定されていたボディ側の穴がそのまま使用できます。 ライト本体についているCとDのブラケットは、リトラクタブルライトの車両では固定箇所がないため、ステーを追加する必要があります。
- Cの部分をボディに固定するための社外ステーを取り付けた状態。
偶然ヤフオクに出ていたので、このステーだけ購入して取り付けました。
純正で既に開いているサービスホールを使用するので、ボディ加工は必要ありません。
Dの部分は固定しなくても全くぐらつきがなかったので、固定はしていません。 - Cのステーと社外ステーを組み合わせた状態(運転席側)。
このステーが少し変わった形状をしているのは、ヘッドライト側のブラケットがサービスホールがあるボディ面より少し下に下がっているためです。

ヘッドライト裏側の取り付けステー

Cのステーを固定するための社外ステー

社外ステーにヘッドライトを取り付けた状態

後期固定ライト取り付け完了
- 左右両側のヘッドライト取り付け完了。

レベライザーとのクリアランス
- レベライザーとボディとのクリアランスも問題ありません。
ウォッシャータンク取り付け

バンパービームステーにウォッシャータンクを取り付け
- ウォッシャータンクはバンパービームに取り付けられていますが、 私の車両は軽量化のため撤去されているので、バンパービームステーからステーを伸ばして取り付けることにしました。

バンパービームを固定する穴にステーを取り付け
- バンパービームステーにあいている穴(本来はバンパービームを取り付けるための穴)にM6のナットリベットを取り付け、そこからアルミのステーを伸ばしてウォッシャータンクを固定しました。
ボンネット・バンパー取り付け
- ボンネット取り付け完了後の状態。
片側2本のボルトでヒンジと固定するだけですが、取り付けをする際は両側を2人で持って作業した方が安全です。
この時のボンネットはTAITEC製のコピー品と思われる製品で、02R純正品よりダクトが大きく迫力があります。
しかし、フィッティングが非常に悪く、どうやってもチリが合わなかったので、最終的にはRuteKS製のドライカーボンボンネットに交換しました。 写真では分かりにくいのですが、フェンダーとの境目が前方に向かうほど浮き上がり、ヘッドライト付近では10mm近く浮き上がっています。
02R純正のドライカーボンボンネットは現在は生産終了していますが、まだ購入ができた2010年当時の価格でも1,080,000円という超高額だったので、当時は純正品を購入するという選択肢はありませんでした。 何度かヤフオクで見かけましたが、その時に購入しなかったことが悔やまれます。

メーカー不明FRPボンネット取り付け後
部品番号 | 部品名 | 単価 |
---|---|---|
60100-SL0-Z10ZZ | フードCOMP. | 1,080,000 |
60116-SL0-Z10 | メツシユ,フード | 72,500 |
74146-SL0-Z10 | シールラバー,フードメツシユ | 1,440 |

後期固定ライト用純正フロントバンパー取り付け後
- バンパー取り付け後の状態。
ボンネットをRuteKS製のドライカーボンボンネットに変更してかなりフィッティングが改善しました。 - ボンネット裏に純正のシールラバーを取り付け。
クリップと両面テープを使用して取り付けます。
ダクトの裏側に取り付けるグリルだけでも純正品に交換したいところですが、このボンネットはグリルがダクトに接着されているし、純正のグリル(60116-SL0-Z10:メツシユ,フード)を取り付けるためのステーがないので諦めました。 - ボンネットオープナーステーを比較。
NSX-R用はダクトを避けるように形状が変更されています。
ラジエターダクトは純正品を装着していますが、メーカー不明ボンネットのダクトに合わせて上部をカットしてしまったため形状が異なります。

ボンネツトシールラバー取り付け後

ボンネットオープナーステーを02R用と比較
ボンネット取り付け用ショートパーツ
購入当時(2014年02月)の価格
No | 部品番号 | 部品名称 | 単価 | 数量 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
74145-SL0-Z10 | ステー,ボンネツトオープナー | 2,020 | 1 | |||
74148-SL0-010 | ラバー,R.ボンネツトシール | 2,940 | 1 | |||
74198-SL0-010 | ラバー,L.ボンネツトシール | 2,940 | 1 | |||
91505-SL0-003 | クリツプ,カウルトツプ | 115 | 8 | |||
合計金額 |
表示価格はすべて税抜き価格です。
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No | 部品番号 | 部品名称 | 単価 | 数量 | 価格 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
74145-SL0-Z10 | ステー,ボンネツトオープナー | 1 | ||||
74148-SL0-010 | ラバー,R.ボンネツトシール | 1 | ||||
74198-SL0-010 | ラバー,L.ボンネツトシール | 1 | ||||
91505-SL0-003 | クリツプ,カウルトツプ | 8 | ||||
合計金額 |
表示価格はすべて税込み価格です。
※ 単価が空欄の部品は、調査時点で生産終了または注文不可の部品です。
※ 単価が表示されている部品でも、すでに生産中止となっている場合があります。

換装完了
- 換装後のフロント周りの状態。
純正バンパーのフィッティングが非常に良いことに加え、ドライカーボンボンネットの品質も良く、FRP製ボンネットによく見られるような表面の歪みが一切ないので、全て純正品と言っても違和感がない雰囲気です。

完成
- ドライカーボンはサフェーサーを塗った後に下地処理で表面を平滑にしても、本塗りが乾いた後にカーボンの凹凸模様が表面に出てしまいます。 表面のカーボン模様について、書籍には狙って仕上げたというように書かれていますが、不可抗力で模様が出てしまうだけのように思えます。