私のNSXは車高を合法的な範囲(9cm)に留めていますが、それでもフロント先端は結構低く、家を出る際のちょっとした坂で慎重にルートを選ばないとリップが路面と接触してしまいます。
これ以上車高を上げたくなかったので、ロベルタカップを導入してみることにしました。
- コスト削減の為にヤフオク中古で、何の車種用か不明なカップ、コンプレッサ、タンクのセットのセットを購入。
アルミ製のタンクは、サイズが小さく2つに分かれているので、取り付けの自由度が高そうです。
後で分かりましたが、カップの色や構成から、このキットはTOP SECRETが販売していたもので、購入したカップは2種類ある内の小さいタイプ(ID65用)みたいです。
コンプレッサとタンクが変な色に塗られていました・・・。写真はタンクの塗装を剥離してバフ掛けした後で、コンプレッサも後で剥離と再塗装します。
購入した中古キット(おそらくTOP SECRETのキット)
コンプレッサのメーカーはTHOMASopen_in_new
タカチ アルミ製フリーサイズボックス「MBF203-200-310B15」
フロントトランクに設置する案に決定
NSXの場合、リヤトランク内に各機器を設置するのが一般的ですが、トランクをスペースを空けておきたい、リヤセクションの重量を増やしたくないという2つの理由で、フロントトランクの空きスペース内に全ての機器を設置することを目標にしました。
いろいろと考えた結果、バッテリーをドライバッテリーに変更し、バッテリー、コンプレッサ、制御回路の全てを純正バッテリーとほぼ同じサイズのボックス内にまとめるという案にしました。
ボックス内のレイアウト検討をしてみたところ、バッテリーとコンプレッサはギリギリ収まり、その他の機器もなんとかなりそうです。
- ボックスをワンオフで作るのも大変なので、指定サイズでオーダーできるアルミボックスを購入することにしました。
購入したのはタカチのアルミ製フリーサイズボックス「MBF203-200-310B15」。ミリ単位でサイズが指定できてリーズナブルです。
エア制御を行う電磁弁の選定条件としては、電源がDC12Vでロベルタカップの動作圧力に対応したのものになりますが、ロベルタカップは最大1.5MPaとかなり高めの圧力になる上、弁の開放時にOUT側圧力がほぼゼロなので、動作差圧が1.5MPa以上の製品を選択する必要があります。
- SMCとCKD共に、上記条件に該当する製品が1機種ずつありましたが、CKDは在庫がなかったので、SMCの「VXE2110-01-6G1-B」を購入しました。
重要なのは「最高システム圧力」ではなく「最高動作圧力差」
SMC製電磁弁 VXE2110-01-6G1-B
アルミ板に電気回路を集約
- 電気回路部分をボックスの内側側面にまとめたいので1枚のアルミ板に集約して固定しました。
また、リモコンで上昇下降させたかったのでキーレスエントリーを利用した回路を作ろうかなと思っていたんですが、ネットを探してみると、コムエンタープライズというメーカーが、リモコンで回路のスイッチングを行うための「MLT061」という製品をラインナップしているのを見つけたので購入しました。
CEPと書かれた箱がコムエンタープライズの汎用リモコンスイッチで、ボタンを押している間にリレーONにできる点がキーレスエントリーと異なります。
リレーは、コンプレッサー作動用×1個、電磁弁作動用×2個です。
リモコンスイッチ内蔵のリレーで電磁弁を直接駆動もできましたが、トラブル防止のために外部にも付けました。
主要搭載部品の仕様
NO:40A/14DC NC:30A/14VDC
NO:40A/14DC NC:30A/14VDC
VXE2110-01-6G1-B VXE21
VXE2110-01-6G1-B VXE21
ADJ-RANGE:100 TO 400psi
写真04では、リレーは3つとも同じものですが、最終的にCR1のみ、エアサス用コンプレッサメーカーのVIAIRopen_in_newが販売している製品に交換しています(仕様は同じだけどなんとなく)。
- 平面にレイアウトするものは、コンプレッサ、ドライバッテリー、電磁弁×2個。
工作用紙に仮置きして完成をイメージします。
一応問題なさそうですが、手前のスペースにドライバッテリーが載り、電磁弁側の側面に制御回路搭載のパネルが固定されるので結構窮屈になると思われます。
工作用紙をトレースして実物を加工するので、穴位置を工作用紙にマーキングして寸法取りを行います。 - ボックスは純正バッテリーと同じ考え方で、メンテナンス時にスライドさせて引き出したかったので、底面のゲタ用にジュラコンの端材を買ってきてバーを2本製作しました。
- バッテリーやコンプレッサなどの重量物があるので、ボックス底面はそれなりの強度が必要です。
3mm厚のアルミ板をベースに、さらに5mm厚のフラットバーで補強を入れてたものを底面の固定板にしました。 - ボックス内にコンプレッサと制御パネルを仮組み。とりあえず底面パネルと側面制御パネルは配置できました。
ボックス外部に繋がるエア配管の継手と配線コネクタの配置は無視していますが、組み立てながら考えれば何とかなりそうです。
- エア配管完了。ごちゃごちゃしているようにも見えますが、配管は至ってシンプルで、11の通りです。
エア配管に使用しているのは全てSMCのワンタッチ継手です。 この継手は使用圧力1.0MPaですが、ワンタッチでないとボックスの脱着が非常に面倒になるので、メンテナンス性優先で使用圧力は無視しました(耐圧は3.0MPaなので多分大丈夫なはず)。
バッテリーはS15の時に使用していたM2販売製、ステーもS15の時に使用していた削り出しステーを使用しました。
組み込み完了
- よく全部入ったなと言うくらい本当にスシ詰めです。 低頭ボルトを使わないと入らなかった部分など、色々苦労しました。
ちなみにコンプレッサ吐出口付近にエア配管のメクラがあるのは、最初はそこに圧力計を取り付けたものの、ボックスの中では見えなくて意味がない(アホです)ので取り外した形跡です。後でエアタンクに直接装着しました。
制御パネルと各機器の配線は、メンテナンス性を考えてギボシ接続にしています。 組み立てながら、ああすれば良かった、こうすれば良かったと思うことが多々有り、もう一度作り直したい思いがありますが、とりあえずコレで運用します。
一応計算通りにフィット?
- 純正バッテリーを取り外して、そのスペースにボックスをセット。無事バッテリー搭載位置に収まりました。ほぼ計算通りです。
純正バッテリーの固定用ステー(棒)が使用できるように設計しているのでバッテリーと同じ方法で固定できます。
この時すでに薄々感じていたのですが、バッテリーがボックスの中にあると、バッテリーだけのメンテナンスの際にものすごく面倒です。
バッテリーは外に出して、その他の機器のみ小さいボックスに収納した方が良かった・・・。