ロベルタカップ導入

01 制御ボックス製作

02 カップ取り付け

03 装着・動作テスト



01

車高調

 

なぜか車高調まで購入

買い替えないと装着できなかったという訳ではありませんが、ロベルタカップを装着するにあたり車高調を購入しました。
車を買った時に付いていたのはK-SPORTSの車高調。バランスは悪くないけど街乗りには固すぎたので、ついでに交換する事にしました。
個人的にはHKSのハイパーマックスが好みだったけどNSX用がない。DG-5は高すぎる。10万前後ので探すと色々あるけど、国内メーカーかつ足回り専門メーカーという事でテインのストリートフレックスに決定。

コストダウンが進んだせいか、昔はアルミだったアッパーマウントもスチール製に・・・。


 

眺めていると不安が過ぎる

実物を確認すると、ロベルタカップを装着するにあたって気になる点が・・・。
フロントのストロークは実測で約73㎜、バンプラバーが約30㎜で、バンプタッチまでのストロークが約43㎜。この43㎜にロベルタカップの約21㎜が加わるので、バンプタッチまで約22㎜。大丈夫なのか?

STREET FLEX データ

フロント

リヤ

開発時使用タイヤ

215-40/17

255-35/18

開発時使用ホイール

17×7.0J +45

18×8.0J +42

基準ケース長

348mm

256mm

A寸

199mm

133mm

ケース長調整範囲

+30~-20mm

+30~-10mm

基準車高シート高

279mm

187mm

B寸

130mm

64mm

基準プリロード

2mm

1mm

基準クリック

8段

8段

ライドハイト(純正比)

約325mm(約-50mm)

約350mm(約-30mm)

基準レート(品番)

10.0㎏f/mm(SQ100-01175)

12.0㎏f/mm(SQ120-01175)



02

カップ小加工

ちょっと気が引けますが・・・

車高調のシャフト径φ12.4に対し、カップの穴がφ12だったのでφ12.6に拡大。やはりどう考えてもストロークが少ないので、上部の突起を8㎜カットして約21㎜→約13㎜に。
これでバンプタッチまでのストロークを約30㎜確保できました。しかし1G状態でバンプタッチが回避できても、ロベルタカップによって車高調が伸びるのは30㎜以下という事になります・・・。

改めて考えてみると、ロベルタカップってバネレートが高いとあんまり車高が上がらないって事になりますよね。
私の好みでは、車高調を組む時はプリロードゼロ付近(遊び防止に若干だけかける)が基本なんですが、この考えだとジャッキアップ状態→接地状態で下がった分の車高しか上げる事ができません。

NSXの軸重とレバー比

フロント

リヤ

軸重

570kg

790kg

レバー比

1.5

1.1

TEIN資料から引用

TEINの資料からすると、NSXのフロント1輪にかかる荷重は285㎏。バネレート10㎏/mmの場合、1G状態で計算上28.5mmしか車高調は縮みません(=28.5mmしか伸びない)。さらにレバー比が1.5なので、車高の上げ幅は2.75mm(28.5×1.5)という事になります。
結局、上げ幅を高めるには無負荷状態でスプリングを遊ばせるか、プリロードをかけるしかありません。プリロードかけまくって、カップ自体にそれを持ち上げる力があるかは分かりませんが、個人的にはどっちも嫌・・・。
ロベルタのHPには50㎜前後リフトアップと書いてあります。
今回のケースでは近い値ではありますが、プリロードゼロ付近でセットする場合は、バネレートのみに依存してしまうという事になります。



03

車高調組み付け→失敗

 

基本的な事を忘れる・・・

サスペンションにカップを組み込んでみて重大なミスに気が付く・・・。
ストリートフレックスはラバーマウント仕様。
アッパーマウントに直接スプリングが接触しないと、使用状態で常にゴムブッシュに荷重が掛かる・・・。 多分ブッシュは軸方向の荷重を想定していないだろうし、これは明らかにまずい・・・。
上位モデルのモノスポーツはピロ仕様だけど、候補から外した理由に、単筒式でであるという事とスプリング径が大きい(ID70)という事がありました(私の手持ちのロベルタカップはID65用)。

このまま組み込んだら走行中にブッシュがマウントから外れる予感・・・。走行中に何か起こっても嫌なので、一時断念。



03

ピロアッパー購入・組み込み

結局モノスポーツ用アッパーを購入

テインHPからも注文がてきるようになっていましたが、定価販売のみと書かれていたので、まずは車高調を購入した販売店に問い合わせてみました。すると、モノスポーツのロットNo.がないと販売できないと回答されたとの事。仕方がないのでテインHPから注文すると、なぜか問題なく購入できました。

品番

価格

PMA07-RH140GR

片側14,000円×2個

なぜわざわざテイン製のピロアッパーにしたかと言うと、いずれはEDFCを取り付けたい(テイン製はピロ部が若干陥没しているので、EDFC取付時に「逃げ」になっているのかも?)からです。

気を取り直して採寸

ピロの高さが20mmなので、38mmのラバーマウントに対して18mmの余裕が生まれます。ラバーマウントのストッパーもカップの下になるので、さらに余裕は増えます。
これで実ストローク部分ではなく、アッパーマウントが付いていた部分にカップをセットできるのでストロークに影響しません。


ピロカラー(下側)検討

 

ピロ下に10㎜設ける事で、バンプラバーストッパーとの間に13㎜のロベルタカップが入るという公算。これでストロークに影響することなくセットが可能。結局のところ、カラーを薄くすればカップの方を削る必要はありませんでした・・・。
ピロ側の外径は何となく22㎜に設定。

ミスミを利用してみた

ピロカラーなので汎用品で済むと思っていましたが、探してみても意外と近い寸法のものが見つかりませんでした。
結局製作するしかないのでどうしようか悩んでいましたが、ネットを見ていると、最近のミスミでは旋盤加工品まで通販で購入できるので、利用してみる事にしました。
寸法指定して注文すると1週間で到着。
こんなのSUS304で作って材料込み1個1,400円。うーんスゴイ。


 

取り付けてみると・・・

これでサスの動きをスポイルする事なくカップ装着ができる!と思いきや、いざ取り付けようとすると、アッパーアームとスプリングが干渉して、物理的に取り付けできません。写真の通り、ジャッキアップ状態で下側のスプリングシートのあたりが干渉します。
プリロードゼロで行くには、テイン標準の自由長(175mm)を120~130㎜程度まで短くしないとダメそうです。 新しいスプリングが届くまでまた作業ストップ・・・。

今度はバッチリか?

ピロのアッパーナットを締めた後の状態も想定図の通りで今度はバッチリ。シャフトの傾きに対する逃げも問題なさそう(計算上は7°位までは大丈夫)。
ラバーマウントが入っていた部分がピロになる事で、クリアランスが生まれてカップが入るので、今度はストロークが目一杯使用できます。



04

スプリング交換→完成

 

意外とマッチ?

早速スプリングを組み込み。
レートはテイン純正と同じ10kgf/mm、自由長120㎜です。
自由長は長くする派だったので、今までで一番のショート仕様。
赤いスプリングも組み込んでみると意外とマッチしていました。
今度はアームとの干渉もなく問題なくセットできるはずです。

スプリング購入

スプリングの選定にあたり、とりあえずの候補はswift、326POEWR、CRAFTZ。
swiftはS15で仕様変更の際によく使用していましたが、初期から一定レートな感じが今回のイメージに合わなかったので、初めてCRAFTZを購入してみました(価格も安かったので)。
色が赤というのが・・・、テインの緑には合わなそうな・・・。




01 制御ボックス製作

02 カップ取り付け

03 装着・動作テスト