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AT→MT換装 - 配線作業
04 配線作業

warning 配線図は初期型のNA1(100系)の情報を元に作成しています。
1995年以降のモデルやACURA(左ハンドルモデル)は、この配線図の情報とは異なりますのでご注意ください。
カプラー図は純正の配線図に倣った表記としており、枠が一重線のものがオスカプラ、枠が二重線のものがメスカプラです。 また、カプラー図は、オス側、メス側共に端子側からカプラーを見た状態を表しています。

シフトコンソールスイッチ

ECUは[P]・[N]か、それ以外かを判定

ECUはニュートラル信号が入力されている(アースに落ちている)か否かという条件で、トルクコンバーターの抵抗を考慮してエアのバイパス量を増やし、アイドル回転を上げるコントロールをしています。 ATの回路だと、コンビネーションメーター内でシフトポジションコンソールスイッチの[P]と[N]の信号線が統合された後でECUに入力されているため、[P]または[N]の時に制御変更を行っているということになります。
ATからMTに換装した後、単純にAT用のセレクトレバーを取り外しただけの状態だと、ECUのニュートラル信号がアースに落ちない状態になるので、シフトポジションを[1]、[2]、[3]、[D]の何れかに入れている状態と同じになります。
つまり、エンジン制御的には、シフトポジションが[P]及び[N]か、それ以外かを見ているということになります。

NSX AT→MT換装 ECUへのシフトポジション入力

ECUへのシフトポジション入力

NSX AT→MT換装 シフトコンソールスイッチ配線改造図

シフトコンソールスイッチ配線改造図

ポジション固定では不具合が起こる

ニュートラル信号がアースに落ちず、ECUがシフトポジションを[P]・[N]以外と判定している場合、通常走行に支障はないものの、アイドリングが高めで上下して不安定になったり、クラッチを切ったときに回転が落ちにくくなったりします。
一方、ニュートラル信号をアースに落としてECUに[P]・[N]と判定させると、アイドリングや通常走行の問題は解消しまが、無負荷での空ぶかしと判定されるためか、レブリミットが7,000rpmに制限され、VTECに切り替わらないという問題が発生します(※)。
つまり、ECUがAT用の状態で、正常に車を動かすには、停車時は[P]または[N]、車が動き出すとそれ以外([1]、[2]、[3]、[D])に切り替える必要があります。
AT用の配線を生かすなら、[[430]]カプラー部分でアースの接続先を[N]と[D]に切り替えられるようにすればよいのですが、走行中に手動スイッチで切り替えるのは面倒です。
一定の車速に達したときに接続先を自動で切り替えることも可能だと思いますが、そこまでやるなら、ROMデータをMT用に書き換えた方が早いかもしれません。

※ シフトポジションが[P]以外に入っている場合、キーロックソレノイドが働いてキーが抜けなくなるため、MT換装後に使用するのは[N]が最適です(キーロックソレノイドやインターロックコントロールユニットなどの不用部品を取り除いた場合は特に違いはありません)。
また、AT、MTに関わらず、車速5km/h以上、水温60℃以上であることがVTECに切り替わる条件になっています。

NSX AT→MT換装 シフトコンソールスイッチ部カプラ

シフトコンソールスイッチ部カプラ

  1. 12極カプラーの[N]信号と[アース]([[430]]の[6]と[8])を短絡することでECUのニュートラル信号がアースに落ちてニュートラル判定になります。
    さらに走行時の制限を解除するには、車速に応じて[6]と[8]の接続を切り離し、ニュートラル信号がアースに落ちない状態にします。
    AT用の配線を生かす場合は、[8]の接続先を[6](シフトポジション[N])から[1](シフトポジション[D])に切り替える方法が考えられます。
  2. インヒビタースイッチはシフトポジションが[P]か[N]の時に電気が流れ、電気が流れないその他のシフトポジションの時はエンジンが始動しないようになっています。
    車両ハーネス側([[431]]の[1]と[2])を短絡すればエンジンを始動できるようになります。
バックアップライトスイッチ

ATとMTではバックアップライトの配線が全く違うため、そのままではギヤをバックに入れてもランプは点灯しません。
ATはシフトレバーのポジションが[R]に入るとランプが点灯しますが、MTはトランスミッション内のバックアップライトスイッチによりバックギヤに入ったことを検知してランプが点灯します。
ランプ点灯用の配線を新たに引く必要がありそうに思えますが、実は意外と簡単な配線で解決できます。

  1. AT→MT換装を行うと、MT付近のカプラーが4個余ります。 その内の「ロックアップコントロールSOL.V」用2極カプラーを使用する事で、新たに増えたバックアップライトスイッチの配線を簡単に室内に引き込めます。
  2. カプラー[[33]]付近の加工を行います。 ロックアップコントロールSOL.V用[2]の線(赤/白)とバックアップライトにつながる[3]の線(緑/黒)を短絡します。
  3. ロックアップコントロールSOL.V用[7]の線(白/黒)とIG電源をつなぎます。 IG電源は黄色い線で、周辺から探せば何本もあります。私は不要になったTCS用の電源をつなぎました。
NSX AT→MT換装 33番カプラー(助手席後ろ)

33番カプラー(助手席後ろ)

NSX AT→MT換装 バックアップライトスイッチ配線改造図

バックアップライトスイッチ配線改造図

ニュートラルスイッチ

ATではシフトポジションを[P]または[N]に入れた時にシフトコンソールスイッチからECUに信号が入力されますが、MTはミッション本体のニュートラルスイッチからECUに信号が入力されています。
ECUがAT用のままの場合、ニュートラル信号が入力されない状態でアイドリングが不安定になるなどの不具合が発生するため、ミッションのギヤがニュートラルになっている状態で判定されると困ります。
そのため、ミッションのニュートラルスイッチからECUに信号をつなぐのは、ECUをMT用に交換した場合になります。

ニュートラルスイッチもATには配線が存在しませんが、バックアップライトスイッチ同様、余ったカプラーが使用できます。

  1. 「リニアソレノイド」用3極カプラー(3極ですが2極しか使用していないカプラー)を使用して室内に引き込みます。
  2. カプラー[[33]]の[9]の線(灰色)を、 カプラー[[4]]とカプラー[[154]]を介してECUにつながる線(薄緑)とつなぎ、 カプラー[[33]]の[8]の線(黒/白)をボディアースにつなぎます。
NSX AT→MT換装 ECU付近のカプラ

ECU付近のカプラ

NSX AT→MT換装 ニュートラルスイッチ配線改造図

ニュートラルスイッチ配線改造図

クラッチスイッチ

クラッチスイッチの信号は、ECUがクラッチの接続/切断状態を判定するために使用されています。
純正ECUのMT制御では、この信号によって減速時の燃料カットの制御が切り替えられており、クラッチを切った際には、エンジンが駆動輪から切り離された状態に応じた燃料制御が行われます。
ATからMTへ換装した際にクラッチスイッチを配線しない場合、クラッチを踏んでもECUがその状態を認識できないため、クラッチが接続されたままの条件で減速燃料カット制御が継続される場合があります。 その結果、アクセルOFFからクラッチを切ってアイドリングへ移行する際に、燃料カットからの復帰タイミングが本来のMT制御と異なり、回転の落ち方が不自然になったり、アイドリングへの復帰時に一時的な回転の落ち込みや不安定さが生じたりする可能性があります。

クラッチスイッチを配線しなくても通常走行に大きな支障が出ない場合もありますが、純正ECUのMT制御では、クラッチON/OFFを区別した制御が存在するため、本来のMT制御を再現するのであれば配線しておく必要があります。

クラッチスイッチは、クーペ用の3極タイプとNSX-R用の2極タイプの2種類がありますが、私はオートクルーズを残したかったので、2点の信号を取り出せるクーペ用の3極タイプを使用しました。
2本の信号線の内1本はECU、もう1本がオートクルーズユニットにつながっています。

  1. AT車両の場合、クルーズコントロールユニットにつながる配線はシフトポジションコンソールスイッチのカプラー[[430]]からユニットにつながっています。
    クラッチスイッチのNC接点(配線図通りにするなら[[416]]の[2])をカプラー[[430]]の[5]につなぎます。
  2. AT車両ではECUにつながる配線が直前のカプラー[[4]]で途切れているので、クラッチスイッチのNC接点(配線図通りにするなら[[416]]の[3])からカプラー[[4]]の端子[12]の間の配線を新たに引いてつなげます。
  3. クラッチスイッチの[[416]]の[1])をアースにつなぎます(配線図ではG401というアースポイントになっていますが、どこでも問題ありません)。
NSX AT→MT換装 クラッチスイッチ配線改造図

クラッチスイッチ配線改造図

不要品撤去
NSX インターロックコントロールユニットの場所

インターロックコントロールユニットの場所

  1. 座席後ろのATコントロールユニットの向かって左側に固定されているのがインターロックコントロールユニットです。
    このユニットはATのみに搭載されているもので、シフトポジションが[P]または[N]以外ではエンジンスタートができないように制限したり、 シフトポジションが[P]以外ではキーが抜けないようにするなど、シフトポジションに関する動作制限をしているだけで、MT化に伴い不要になるため撤去します。
  2. キーが抜けないように物理的にロックをかけているのがキーロックソレノイドで、運転席キーシリンダの下側に固定されています。 他に活用するアイデアがあれば残して使用しても構いませんが、ATのみに搭載されているものなので撤去します。
  3. 取り外した不用部品。インターロックコントロールユニットとキーロックソレノイド以外に、ステアリングコラム下のカバー裏に固定されているバックチャイム(シフトポジションをバックに入れた時に音が鳴るチャイム)も撤去しました。
NSX キーロックソレノイドの場所

キーロックソレノイドの場所

NSX MT化に伴う撤去部品

MT化に伴う撤去部品

04 配線作業