ATコンピュータ撤去
01 必要部品調達
02 ペダル周り作業
03 ミッション周り作業
04 配線作業
05 ATコンピュータ撤去
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スピードセンサのパルス検証

MT化にあたり、不要なものは全て撤去したいわけですが、ATコンピュータはNCスピードセンサからの信号を変換してEPSユニットに入力しているので、パワステを使用したい場合は残す必要があります。 EPSユニットはメインのスピードセンサとNCスピードセンサからの2つの信号で車速の整合性を取っているので、どちらかのセンサーが壊れるとEPSチェックランプが点灯してパワステが効かなくなります。
もし、メインとATコンピュータからのパルスが同じ仕様であれば、メインからパルスを2分岐してEPSユニットに入れる事で解決するの可能性があるので、2つのパルスをオシロで比較してみました。
結果は写真02の通り、メイン1パルスに対してATコンピュータが7パルス位になっていました。 メインの信号を分岐して使用する場合は7倍のパルスに変換する必要があり現実的ではありません。
続いてNCスピードセンサからの信号を検証します。写真03の通り正弦波の波形が出ています(低速走行での検証で振れ幅は±25V以上)。 NCスピードセンサを使用する場合、この正弦波を4.5Vのパルスに変換しないといけません。
最も簡単なのは、パワステがオプションになった後のMTについている「パルスユニット」を使用する方法です。
パルスユニット 39985-SL0-951 価格は2010年12月時点で14,100円

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PCに接続するタイプのオシロスコープを使用しました。 自作キットは1時間位で製作できてお手軽。しかもリーズナブル。
このサイトで購入→https://www.cokky.ne.jp/

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上段:ATコンピュータからの出力波形
下段;メインスピードセンサからの出力波形

03

下段:NCスピードセンサの出力波形

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変換回路検討

NCスピードセンサから出力される±25V以上の正弦波を+5Vのパルスに変換するためには、 ツェナーダイオードを使用した定電圧回路で0V以下と5V以上をカットするという方法があります。
しかし、スピードセンサからの正弦波は、低速だと微弱な電圧で波の幅が広く、速度が高まるにつれて電圧が高まり波の幅が狭くなるという特性があるため、 0V以下と5V以上をカットしただけでは信号として認識できない(写真04参照)可能性があり、対策が必要です。 そこで、0Vから少しでもプラス側に振れると5Vを出力できる、オペアンプの仲間であるコンパレータを使用します。

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低速時と高速時の正弦波の違い

必要な部品は電子部品通販でよく知られている「RSオンライン」と「秋月電子」で購入しました。
※ 1個単位では購入できない部品もあります。

使用部品

名称
仕様
単価
ポリスイッチ
RXEF07 0.75A
43
ショットキーバリアダイオード
SB160-E3/54 1A 60V
15
ツェナーダイオード
BZX79-C4V7 4.7V 500mW
10
セラミックコンデンサ
50V 100000pF
60
アルミ電解コンデンサ
105℃ 25V 470uF
70
アルミ電解コンデンサ
85℃ 25V 10uF
20
ポテンショメータ
CT-6EP 10kΩ 0.5W 10KΩ
150
トランジスタ
2SC1815-Y(F) NPN
14
3端子レギュレータ
NJM7805FA 5.0V 1.5A
90
オペアンプ
LMC6482
186
カーボン抵抗
1/4W 1kΩ
1
カーボン抵抗
1/4W 10kΩ
1
カーボン抵抗
1/4W 4.7kΩ
1
合計
661
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1 3端子レギュレータによる電源降圧回路
3端子レギュレータを使用して12Vから回路用電源の5Vに降圧します。入力側に平滑用、出力側に安定用のコンデンサを入れる必要があります。 コンデンサは、実装サイズ優先で入力側を470uF、出力側を10uFを選定(ネット情報では、入力側に470~1000uF、出力側に10~100uF)。 発振防止用コンデンサは入れなくても発振する事はなかったので省略(ネット情報では、0.1~0.3μFの搭載推奨)。

2 ツェナーダイオードを使用した定電圧回路
入力に対して反対方向にダイオードを繋ぎ、ダイオードの降伏電圧を利用する定電圧回路です。 降伏電圧(今回は4.7V)までは普通に電気が流れ、4.7Vを超えた時にダイオードが降伏状態となり、アース側に電気が流れます。 さらにショットキーバリアダイオードでプラス側のみを抽出し、正弦波の0V以下と4.7V以上をカットします。

3 コンパレータによる増幅回路
0Vから少しでもプラス側に振れると5Vを出力させるためにコンパレータ(LMC6482)を使用します。 これで低回転で電圧が低い時でもキッチリ5Vを出力してくれます。

4 コンパレータのヒステリシス調整回路
入力が0Vを超えた瞬間にコンパレータからの出力がHiになってしまうと、微妙なノイズでも反応してしまうので、 ポテンショメータを使用したシャントレギュレータ回路で反応する最低電圧を調整できるようにします。

5 トランジスタを使用したスイッチング回路
コンパレータの出力は5Vが立ち上がるまでに少し時間が必要で、オシロで見ると台形のような波形となってしまいます。 トランジスタを使用して増幅する事で、垂直に立ち上がるパルスに調整します。

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変換回路テスト
06

回路をブレットボードで試作(写真06参照)。 ブレットボードとは電子部品を挿すだけで回路が作れる試作用のツールです。 NCスピードセンサからの入力、EPSユニットへの出力、電源(12V)、アースを接続します。 NCスピードセンサのもう一本の線はアースに接続しました。

エンジンを始動して試運転してみると、あっけなくEPSエラーは起きず問題なく使用できました。
オシロで波形も確認しましたが、想定通りの結果で問題ないようです(写真07参照)。
今回使用したオペアンプは0.2V以上でないと入力として認識しないので、時速5kmにも満たない超低速域で回転を検出できませんが、 純正ATコントロールユニットからのパルスは超低速域でも出力されます。 EPSユニットをエラーなく動作させるという点に関しては問題ないようですが、今後改善したい点でもあります(しかし素人なのでどうすれば良いか分からない・・・)。

07

オリジナル基板 出力波形

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実装基板製作

実装する為回路をユニバーサル基板に組みます。 色々考えて、一番コンパクトになるレイアウトを考えてみました。
ポテンショメータはコンパレータのヒステリシス調整(※)のために使用するつもりで実装しましたが、そもそもオペアンプが0.2V以上でないと認識しないので、意味のない部品になってしまいました。
※ 0Vを超えた瞬間に出力がHiになってしまうと、微妙なノイズでも反応してしまうので、反応する最低電圧を調整することです。

  1. 基板がそのままだとショートが怖いので、その辺にあったプラボックスを加工して収納しました。
  2. 「リヤーライニングバルクヘッドブラケットD」は、TRCユニットとATコントロールユニットがないNSX-Rの専用品(部品番号:83724-SL0-J50)があるので、それを取り付けて完了。見た目もかなりすっきりしました。
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実装レイアウト
できる限り小さくまとめようと努力しましたが、これが限界か・・・

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プラボックスに収納した実装基板

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NSX-R用ステー取り付け後

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02 ペダル周り作業
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04 配線作業
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